わたしたちは(死んだら)どこへ行くのか – 第1章 東京の墓地

2019
HDヴィデオ
18分
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『わたしたちは(死んだら)どこへ行くのか』は、現代 の日本社会における様々な死後のありかたについて取材 をしたヴィデオ・インスタレーションである。 無縁墓になり壊されていく東京の墓、福島にある私の母 方の家族の墓、日本に住むムスリムの方々の墓、第二次 世界大戦中に長崎で犠牲になった朝鮮人の方々の遺骨に ついて、そして彼岸花にまつわる私自身の子供の頃の記 憶についての5つの映像作品から構成されている。 現在でも単一民族神話が根強い日本社会で、これまであ まり語られてこなかった文化的・民族的マイノリティの 死後のありかたについて知りたいと思ったことから制作 した。

- 第1章 | 東京の墓地 | 18分 -
「第1章 東京の墓地」は、このシリーズのなかで最初につく られた映像で、東京にあるもっとも古い公営墓地のひとつで ある谷中霊園で撮影された。墓地を歩くと、変化する東京の 街の景色と対応するかのように、重機によって取り壊される 途中の墓や、更地になった区画が目立つ。近年、無縁になり 撤去されるお墓が増えているという。 明治時代から先祖代々この場所でお墓の管理や清掃を請け負 う「お茶屋さん」へのインタビュー、墓地に暮らす動物たち の様子を観察する男性、野良猫、墓石を撤去する業者などを カメラはとらえ、谷中霊園の現在の風景を映し出している。