2012.04.23
スマイル
心が千々に乱れています。
そんな折、ビーチボーイズのスマイルを聴いています。
なんだかなぐさめられます。
「幽霊がでる音楽会」というタイトルの絵を去年描きましたが、
そのタイトルをブライアンに進呈したいです。
いらないと思いますけど。。
この音楽は人間が作ったものとは思えません。といって、とても人間らしくもあります。
悲しいです、とても。そして考えられないほど美しいです。
死ぬ間際の老人が、青春時代のかなわなかった初恋の幻影をながめているような
そんな感じです。
走馬灯。
ああ、書いていて泣きそうになってきた。
「スマイル」について人と話していて、その人からブライアンは様々はフレーズを録りためて
それをコラージュするように音楽を作っていったと聞きました。
そのフレーズのことをブライアンは「フィールズ」と呼んでいたと。
私はそれを聞いてfieldsのことだと思ったら、その人はfeelsだと思っていたようです。
カタカナで書いてあったからどっちかわからないと。
どちらにせよなんだか納得する話でした。
そしてそういう創作スタイルも影響してブライアンは精神に異常をきたしたみたいだと
その人は言っていました。
たしかに「スマイル」を作ったら頭がおかしくなりそうだと思います。
聴いているだけでもちょっとおかしくなりそうなので。
「この数十年いろんな人が前衛的な聴いたことのない音楽を作ろうと
頑張ってきたけれど、その努力を「スマイル」は音速で抜きさったよね。」
とその人が言っていて、それには私もうなずいてしまいました。
とにかく桁違いに遠い場所にある音楽だったのです。
普通の人には想像すらできない場所。
「スマイル」のおかげで私はその存在を知ったというわけです。
ブライアンは音楽の神のお膝元に広がる砂場で遊ぶことを許された人間なのだと思います。
私たちはその砂場の幻影を遠くからながめている観客。