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2016.04.13

遠いデュエット

マドリードで制作した作品を展示します。ロベルト・ボラーニョという詩人の痕跡を追った「遠いデュエット」という作品です。
ボラーニョは1973年のクーデターと前後して祖国であるチリから逃げ、メキシコ、そしてスペインへと移動しました。そして2003年に病気のためスペインで亡くなりました。
私がボラーニョの作品に出会ったのは町田のリブロだったことは覚えているのですが、いつのことだったか思い出せません。でも何気なく「通話」というタイトルの小説を手に取って以来、彼の世界を見る目は私にとって1つの指針となりました。今回の作品はボラーニョを通して、今私自身が立っている場所について考えるものになっています。
トーキョーワンダーサイトで今週土曜から5月29日まで。
4月16日(土)15:00~アーティストトーク、17:00~オープニングがあります。
http://www.tokyo-ws.org/archive/2016/03/H0416.shtml

2014.06.17

黄金町滞在記 1

今日は日暮里のトマトに布を買いにいって、
試しにプロジェクターで投影してみた。
まだ展示場所の窓をふさいでいないので、日が暮れてから作業をした。
私は本当に臆病というか、怖がりで、
誰もいない暗い一軒家に1人でいると…正直こわい。
自分の精神衛生のために、横浜高島屋でアロマオイルを買ったりした。
アロマオイルなんて人生初めてだけど、結構良いものだ。
店員さんに
「誰もいない古い一軒家で作業することになり、不安感がある(怖い)」
「集中したいし、インスピレーションもほしい」
と言ったら、ジュニパーとグレープフルーツを配合するのが良いと教えてくれた。
ジュニパーは昔ヨーロッパで悪魔払いに使われていたらしく、
集中力を高め、殺菌作用もあるらしい。
グレープフルーツにも集中力を高めたり、気分を明るくする効果があるらしい。
ぴったりです!
高島屋の店員さんがすごい人に思えた。

そのことを彼氏に電話で話したら、「ソルティドッグの組み合わせだね」と言われた。
ジュニパーはジンの原料なのだそうだ。
どうりで。
私はソルティドッグが好きなので、この香りも好きなわけだ。

ジンといえば、レイモンド・カーヴァーの「ぼくが電話をかけている場所」という短編小説を思いだす。
アルコール依存症のリハビリ施設でのお話で、
主人公が同じ境遇の入居者に、「なんでそんなにたくさんジンを飲むようになったのか?」と聞くと、
彼は「味がすごく気に入っちゃったんだよね」というような感じの返事をする。
その答えにリアリティがあるなぁと思ったのを思いだす。

そんなジンの原料であるジュニパーと、グレープフルーツのアロマオイルを焚いてみたが、
やはり気が高ぶって、しばらく作業して帰ってきた今も気が高ぶっている。
滞在場所に戻っても誰もいないので、人の声が聞きたくなり、
勉強をかねてBBCのポッドキャストを聞きながら夕食を作った。
それでも気が静まらないので、おっとりした友達に電話をかけて世間話をした。
ちょっとは落ちついたが、やっぱりソワソワするので今ブログを書いている。

なんだか最近妙にFacebookやTwitterを見てしまう。
依存症である。
読みたい本があるのだから、ちゃんと本を読みたいと思う。

—-
それはそれとして、今回黄金町に向けて展示準備をしていて、とても充実感がある。
制作費が出るので、今までできなかったようなことにチャレンジできるので、
やりたいことは全部試したいと思う。
「イエーイ!よろしくね!」と私の展示場所に向けて、あいさつ。

みなさまも、すっかり夏ですが体調にお気をつけください。

2014.06.04

黄金町滞在1日目

8月から始まる「黄金町バザール」に参加します。
http://www.koganecho.net/koganecho-bazaar-2014/
今日(今は深夜3時なので正確には昨日)から滞在を始めました。

ということで、日記です。

黄金町滞在1日目。
他にもアーティストがいるかと思ったら私が一番乗りだったらしい。
ジャック&ベティという映画館が徒歩3分の場所にあり、プログラムを見たら「ある過去の行方」と「チョコレートドーナツ」をやっているので狂喜乱舞。
というのは言い過ぎだけど、心の中で飛び上がる。
観たかったけど諦めていた映画だったので。
両方昼のプログラムだったので、とりあえず今日の夜は「ダリオ・アルジェントのドラキュラ」を観た。
CG感を隠そうとしていないところ、中世なのに人工照明感のある光、巨大なカマキリが出てくるところが良かった。満足。

2014.03.30

春がきた

いよいよ春が来ました。
今日はとても暖かくて、キッチンの窓を開けて夕ごはんを食べました。
セクシーな感じがしました。
夏の予感はやっぱりセクシーです。生命力のうずきです。

大阪でシネドライブに参加して、いろいろ思うところがありました。
今年は発表の機会が多いので
新作をたくさん作らなきゃいけないにも関わらず
自分が立っている地面が揺るぎました。
映像、映画、自主映画、実験映画、なんでもいいんですけど
そういった存在の底なし沼を見た感じがしました。
映画は人間を食い尽くすんだな、と。
いろんな作品があって、それぞれ本気でした。
それぞれ本気の中で、やはり面白い作品とあまり面白くない作品があって
その基準はもちろん人によって違うとは思うんですが、
厳密にあって、
自分の作品もそのふるいにかけられるわけです。もちろん。
なんか今更ながらシビアな世界だなと思いました。

大学を卒業してから、展覧会に参加する機会をいただいたりして
そういうときはあんまりそういうことは考えてなくて、
作品のことだけを考えていたんです。
ある意味、これまで自分が発表してきた場所には他者がいなかったのかもしれないです。

話の通じない他者に自分の作品を見せたとき、
自分の作品について語らなきゃいけなくなったとき、
突然口が回らなくなってたどたどしくなり、
自分ってこんなに何にも考えてない人間だったんだっけ?とびっくりしました。

面白かった話。
村上賢司監督の『オトヲカル』という8mmフィルム作品がクロージングで上映されました。
これは現在生産終了してしまった8mmフィルムへの鎮魂歌のような、
もしくは最後に華々しく血ドバーのとどめを刺すような強烈な作品でした。
消費期限がかなり前に切れたフィルムを使って、様々な対象を撮っているのですが
フィルムの劣化によりほとんど何も映っていません。
緑色の背景に抽象アニメーションみたいなノイズが映っています。
そこに監督の絶叫が聴こえます。
「俺は今、女を撮っている!女を撮っている!女を撮っている!」
それで、ああ、映ってないけど、カメラの先には女性がいるんだなと思うわけです。
たまにうっすら陽炎みたいに対象物の輪郭が映ります。
その瞬間、感動してしまいます。

主演女優のトークがあり、撮影のエピソードを教えてくれました。
村上監督に呼び出されて、「たぶん何も映らないから服脱いで」と言われたので脱いだと仰っていました。
しばらくしてからもう一度監督に呼び出されて、
「現像してみたらやっぱり何も映ってなかったから、大丈夫。もう一回脱いで。」
と言われ、また脱いだと仰っていました。

ただ女を撮っていたんじゃなくて、女の裸を撮っていたんだなと思って。
それありきの絶叫ということで、なんかいいなと思いました。

2013.12.07

インドネシア

さて、近況まとめ終わり。
あさってからインドネシアのジョグジャカルタに行って参ります。
KUNCI cultural studies centerという場所に滞在します。
スーパー・ヤング・チリも上映してもらえるみたいです。
ジョグジャカルタは面白いと、いろんな人から聞くので、楽しみですね!

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